《シクラメンの夏越し法》

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2008.11.07更新

2000夏のシクラメン株の様子
2000夏に鉢替え&開花に至るまで
2001版紙上夏越し物語
2002シクラメン何でも相談室     
2008夏越し再生物語

     【シクラメンでよく聞く話】
          ◇花が好きで、シクラメンも毎年買うんだけれども、どうも夏でだめにしてしまって
             次の年に咲かせられない。

           ◇今年は夏間近なのに、まだシクラメンに葉と花がついているので、何とか来年
             咲かせられないものかしら。

           ◇何とか次の年にも咲かせられるんだけれど、葉と花の数が少ないし、咲く時期が
             遅れてしまうんです。

       そんな皆さんへのお手伝いとして、このコーナーは制作されます。

        2000夏のシクラメン株の様子

◎7月18日現在の、大地農園のハウス内にあるシクラメンをお見せします。
 ※自家採種(自分のところで種を取る)しないシクラメン生産農家のハウスには、
  本来、前年のシクラメン株はこの時期、ハウス内に存在しません。
  晩春、採種を終え、ハウスの棚に置かれていたもので
す。
@6寸鉢(色・サーモン)
  この時期、皆さんの所にある
  シクラメンの一般的な鉢姿。



       2000.7.18
           A6寸鉢(フレームパープル)  
  比較的に肥料も効いていて、
  うまく管理できた鉢姿。


       2000.7.18


◎7月18日現在のミニシクラメンの鉢姿です。
 ミニ種の方が原種に近いために丈夫で、温度変化にも比較的耐えます。

@4寸鉢(色・スカーレット)
   平成11年株
   昨年播種、今年採種株として
   使用。
   球根の大きさは、5センチ程度

  
          
 2000.7.18
A5寸鉢(色・フレームピンク)
  平成10年株
  一昨年播種、昨年と今年、
  採種株として使用。
  5寸鉢一杯の球根に注目。
 
         2000.7.18

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通常は、このままの鉢姿で夏を越しますが、8月
20日に、一回り大きな鉢に植え替えをしました。
その鉢姿の変化を、しばらくの間追いかけてみましょう。

      2000夏に鉢替え&開花に至るまで

◎8月20日に、ミニと通常のシクラメンを、それぞれ一鉢ずつ
 一回り大きな鉢に植え替えました。
 植え替えるときに、鉢から抜いた後、回りの土を少し取ってやります。

@6寸鉢(色・薄紫)→7寸鉢
   平成11年株

                  2000.8.20

A5寸鉢(ミニ、色・ウィズアイ)→6寸鉢
   平成10年株

  
         2000.8.20

                               

◎下の写真は10月20日のそれぞれの鉢姿です。
 8月20日に上記2鉢を、このページのために鉢替えしました。それ以外の
 夏越し株(約30鉢)を9月20日に鉢替えをしてもらったのですが、連絡の不徹底で
 8月20日に鉢替えされていたミニ株が、もう一つ上の7号鉢に鉢替えされてしまいました。
 そしてさらに悲劇は、上記の6号鉢の姿です。
 
上記@ー2の鉢姿   (-_-;)
前回の鉢替え後直ぐに、このような
惨めな姿になりました。
上記写真でも解る様に、葉が黄変しています。
既にいちょう病の細菌に感染していたよう
です。  

         
 2000.10.20
上記Aー2(平成10年株) 
5寸→6寸鉢→7寸鉢
連続鉢替えにもかかわらず、
旺盛な成長。
とてもミニ種とは思えません。

 
           
2000.10.20

                              

◎1月15日の鉢姿です。
 @ー2の様な (-_-;)失敗が、30数鉢の内2鉢ありました。(その内の一鉢は、現在再生。)
 無事に夏越し出来た、他の2年目株の開花姿を掲載します。
 採種用なので葉組を省略したため、商品的なまとまりはありません。
 右側のAー3のミニは、7寸の大鉢に仕上がりました。
夏越し株2年目の開花姿




             2001.1.15
Aー3
鉢のそばに置いてある携帯と比べて
ご覧下さい。
見事に豪華な大鉢として開花しました。

  
            2001.1.15

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◎番外編
 ミニ種でも年を経ると、ここまで見事に咲きます。
 共に3年目の株です。(6号鉢)

             2001.1.15

             2001.1.15

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2002版紙上夏越し物語
    シクラメン何でも相談室
皆さんのシクラメンも、いよいよ夏越しの峠にさしかかりました。
このコーナーでは、皆さんの質問にお答えしながら、夏に向け又開花に
向けての様子を追つていこうと思います。

これでいいのかな?。
●これはどうすればいいですか?。
●いまはこんなになってます。

何でも結構です。お問い合せ下さい。
デジカメで撮影した画像があればより解りやすいです。

「シクラメンについての質問です」2002.6.22 メールにて
【質問】冬に咲いたシクラメン。花芽が小さくなり、勢いが無くなってきたので、
元気の無いものからつみ取っていきました。
もうシーズンも終わりと考え、2月〜3月(詳しくは忘れました。)に戸外に出しま
した。そのまま乾くと水をやっていましたら、元気な葉が出てきました。

そのまま通常の世話を続けたところ、花芽が元気に出てきて、
現在(6月22日)購入した頃と変わらぬ状態で咲き誇っています。
新しい花芽も続々と出ています。

戸外に出した時点から肥料はやっていません。
ベランダは南向きで、現在直射日光は当たって居ません。
このまま通常の世話を続けても、この冬に花を咲かせてくれるのでしょうか?
この時期に花盛りというのは、珍しいことなのでしょうか?
教えて頂きたいです。

よろしくお願い致します。
【回答】メールにて回答
大地農園です。
お問い合わせありがとうございます。

>この時期に花盛りというのは、珍しいことなのでしょうか?
これははっきり言って、大変珍しいことです。
と言うよりは不思議なことです。

>戸外に出した時点から肥料はやっていません。

花を咲かすということは、かなりの栄養分を消費しているはずです。
鉢の中の土の量はわずかですし、肥料分は限られていますので、昨年
花を咲かせる分で大半を使い切っているはずですが・・・。

おそらく、たっぷりの有機質の堆肥を使った、力のある土を使っているのでしょう。
それにしても、気温が上がるにつれて、花も葉も新しいものが出にくくなるのですが、
よほどベランダの環境が合っているとしか考えられません。

今後もっと気温が上がってきたときに、どの様に反応が出てくるか分かりませんが、
今のままの管理法を続けていて、変化が出たら管理を変えるのが良いでしょう。
夏に向けて新たな追肥は避けていた方がよいと思います。
夏が終わった時点で、対処法を考えましょう。
変化が出たらばお知らせ下さい。


「葉がすべて黄色くなったのですが・・・」2002.6.10 メールにて
【質問】昨年冬に購入したミニシクラメンです。2週間前までは元気で葉がつやつやしていた
のですが、急にすべての葉の色が薄くなり黄色くなってしまいました。
葉はもうだめだと思うのですが、球根は固いです。
もう再生は無理でしょうか?
【回答】メールにて回答
大地農園です。

これは枯れたのではなく、気温が高くなった為又は、これに水切れが
重なったために、休眠状態に入ったものです。
涼しいところに置いて水やりは控え目にし、(完全に止めてしまうのではない)
新しい芽が動き出すまで(8月半ば過ぎが目安)そのままに維持します。
8月後半になったら、一回り大きな鉢に植え替えてやります。
その前に新芽が動き出したらご連絡下さい。



「新芽が出てきましたが・・・。」2002.04.17 メールにて
【質問】HP楽しく拝見しております。種まき記録等、画像が多く大変参考になりますね。
その中で、まさに今の私の悩みにピッタリな相談コーナーを見つけ、とても感激しまし
た。

早速のご相談ですが、予定より早くシクラメンの新芽が出てしまい、戸惑っていま
す。

クリスマスに(おそらく)ミニ種のシクラメンが9cmポットのまま開花し、2つ籠
に入って寄せ植え風になったものをいただきました。かわいらしいので、来年もぜひ
楽しみたいと思い、園芸書を参考にしながら大切に育てています。

3月中旬に花が上がらなくなったので、本に書いてある通りに戸外に出し、よく日に
当てました。このまま、「涼しく夏越しさせて、秋口に植え替えると新芽が出てく
る」というのが本来らしいのですが、4月に入ると、まだ夏前なのにもう根元から
赤っぽい新芽がたくさん出てきてしまいました。

参考にしている本にはそのようなことは書かれておらず、どのように対処してよいの
かわかりません。すぐに植え替えをしてあげた方が良いのでしょうか、それともこの
まま秋まで過ごしてから植え替えた方が良いのでしょうか?ぜひ今後の管理について
教えて下さい。

気候について申し上げますと、こちらは静岡県の富士市で、現在は初夏のような暖か
い日も時々あるくらいです。現在はマンション南側のベランダ(1F)の半日陰に
ポット植えのまま置いてあり、株元にはバークチップが敷いてあります。葉はいたん
だものや黄色くなったものはその都度取り除いていましたが、去年のものがまだ10
枚ほどついていて、シャキシャキとしていて元気は良いようです。いまのところ、
「休眠させない方法」で夏越しさせるつもりなので、土が乾いてから水をあげるよう
にしていて、ハイポネックス液肥を1週間おきに与えています。(それ以外には何も
与えていません。)

ご指導よろしくお願い致します。
【回答】 大地農園よりメールにて

室外に出したミニシクラメンが、夏前なのに新芽が出てきたということですが、
おそらくこれは、室内の条件と異なる戸外に出て、気温の変化や風の動き
などにより、(ハイポネックスの肥料分の影響もある)目が覚めたものと思え
ます。
新芽が葉芽なのか花芽なのか分かりませんが、シクラメン自体、現時点で
まだ花が咲いていても不思議ではありませんし、そのまま成り行きに任せて
おけばよいと思います。
いずれにしても夏に向かって行きますし、梅雨に入る前に窒素分は控えめ
にしていった方がよいと思います。
本格的な夏の暑さが来る頃に、もう一度株の様子を教えていただけますか。



『咲かなかったシクラメン』2002.04.09 メールにて
【質問】祖母の持っていたシクラメンについてお尋ねします。
3年は経っているものなのですが、先日(3月)に見てみたら
長く徒長した葉茎が時計のように四方に広がった状態になっていました。
(鉢の土が丸見え)
葉自体は大きめで濃い緑色です。10枚くらいでしょうか。
今年は花がつかなかったようです。
おそらく西日の当たる窓際でずっと放置されていたと思われます。

この状態で、今後どのように管理していけばいいでしょうか。
【回答】大地農園からのメールにて

お問い合わせのシクラメンは、お祖母さんが育てていたものを引き継いで
育てると言うことでしょうか。

これから夏に向けて、シクラメンにとっては過酷な時期に向かいます。
暑さが苦手な花ですから、風通しのよい戸外の半日陰に(雨が直接かから
ないように)おいて下さい。
水を、葉がしおれたら掛ける位に少な目にします。
肥料は与えなくても結構です。

次に大切は時期は秋口です。
夜間の温度が涼しさを感じるようになったら、鉢替えをしてやります。
このポイントからが大切になります。
一気に株を作って花芽を育てます。
このやり方ですと、花の時期が少し遅くなります。

十二月に十分な花の数を確保するのには、今から鉢替えをしてやり、肥料を
押さえ気味に夏越しをさせます。
易しいのは前者の方ですが、どちらのコースを選ばれるかで管理が違いますので、
改めてメールをいただければお教えいたします。



『シクラメンについての質問』 2002.03.15メールにて受付 和歌山県のK.Kさん
シクラメンの種の採り方がよくわかりませんので、教えていただけないでしょうか。一昨年、
ミニシクラメンの場合に
たまたまですが、種を採ることができ、それを蒔いてたくさんの
ミニシクラメンに育てたことがあるのですが、普通のシクラメンの場合、うまくできません。
ぜひとも、種の採り方(作り方)をご指導いただけないでしょうか。
 
【回答】メールにての回答(2002.03.16)
大地農園です。

お問い合わせありがとうございます。
シクラメンの採取の方法と言うことですが、ただ今現在開花している
シクラメンはございますか?。

理屈から言えば簡単で、雌しべに雄しべの花粉を付けてやるだけの
ことなのですが、画像が無いと分かりづらいと思いますので、明日でも
時間が作れたら撮影して、HPのシクラメンのコーナーにアップします。
改めてメールにてお知らせいたします。


画像にて受粉の仕組みを回答します。画像をクリックすると大きくなります。
@花の中心、がくの部分を、切ったものです。
 真ん中に針のようにとがっている部分が雌しべで、その下に
 黄色く見えるものが、雄しべとそれについている花粉です。
 その下の(雌しべの付け根)半球状の部分が種になるところです。
 この花粉を雌しべに付けてやればいいのですが、同じ株の中
 同士での受粉は自家受粉といって、遺伝子的にはあまり好ま
 しくはありません。

 出来ることなら別の株と交配することをおすすめします。
Aがくの部分を下に向けて(上図を逆さにした状態)親指の
 爪を、がくの中心に押しつけながらこすりつけています。
 がくがつぶれるくらい強く押しつけてください。
 親指の爪の上に花粉が残ります。
B黄色いものが花粉です。
 この粉を、別の花の雌しべにおしつけてやると受粉します。
 受粉すると3〜4日で花茎が反り返ってきて、花びらが、がく
 の部分からすっぽりと取れてきます。
 その後次第に雌しべの付け根(種房)がふくらみ、種が出来ます。
 種が熟すと、皮の部分が割れてきますので、種がこぼれないように
 採取してください。



『シクラメンについての質問』2001.10.08メールにて受付
ずっと部屋の中で、夏を越したのですが、徒長気味。日当たりは午前中のみ、レースの
カーテン越しといったところですが、今から、外に出しても大丈夫なものでしょうか?
それとも他に解決策があるのでしょうか?
植え替えはしてないのですが、したほうがいいものでしょうか?
次々、葉やつぼみもでていますが。
 よろしくお願いします。デジカメはないので。

【回答】メールにて
大地農園です。
メール拝見いたしました。

無事に夏を越すことが出来たようですが、シクラメンにとってこの時期が
一番成長の活発な時です。
十分な花を咲かせるために、株に力を付けてやらなくてはいけない時期
でもあります。
株に力を付けると言うことは、葉数を確保してやるという事ですが、その
ためには十分に根を張らせてやらなくてはいけません。

まず一回り大きな鉢に植え替えてやります。
用土は、専門的にはかなり気張った土を作ってやるのですが、市販の
殺菌されている土に、気層を取り込んでやるために良く腐植した腐葉土
を加えてやった物で代用しても良いでしょう。この場合には、植え替えた
直後に、殺菌の意味でベンレート水和剤の1000倍を灌注してください。

植え替えて2〜3日して根が安定したら、太陽に十分当ててください。
地域によりますが、これからの気候ですと、遮光は必要ないでしょう。
人が暑いなと感じる要でしたら、その時は半日陰に移してください。
太陽光が十分でないと、徒長した軟弱な株になってしまいます。

外に置いたままで(雨が直接かからないように)もかまいませんが、時々
虫に(ヨトウムシやアブラムシ)気を付けてください。

植え替え後1週間を過ぎたら肥料を与えます。
使用した用土には、元肥はほとんど含まれていないと思われますので、
置肥としてプロミックの12−12−12(窒素−リン酸−カリ)とか、それと
同じような肥料を鉢に1錠おいてやります。
そして液肥でハイポネックスの1000倍液(原液の強さで倍率が違うのですが)
を1週間に1度程度、水やり代わりに与えます。
新しい葉っぱの芽が動き出したら葉組をして、株の形を整えながら成長の
手助けをしてやります。

昼間と夜の温度差がはっきりしてきたこの時期は、ぐんぐん株が成長する
時期ですので、タイミングを外さずにすぐに手だてをしてやってください。

判らないことがありましたら、いつでもメールにてお問い合わせ下さい。



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